September 08, 2009

荻原 規子「空色勾玉」

 日本のファンタジーで気になっていた萩原規子「空色勾玉」を読みました。古代の神々の世界がリアリティー豊かで引き込まれてしまいました。(^▽^)
空色勾玉 (単行本)
荻原 規子 (著)
徳間書店
¥ 1,785
366

on 2009-09-09 00:24:27


 天と地に分かれてから三百年を経た古代の日本、国産みを行った輝の大御神(かぐのおおみかみ)の子である照日王(てるひのおおきみ)と月代王(つきしろのおおきみ)姉弟は抵抗する闇の一族と八百万の神々を征服しようと豊葦原で戦いを続けていた。
 そんな時代、親を戦で失い、羽柴の村に拾われた狭也(さや)は、毎夜鬼に追われる夢に長年うなされながら十五歳になった。しかし狭也は、若者たちが恋歌を歌い合う村の祭りで、ついにその鬼たちに追いつかれる。鬼たちは輝の一族と戦いを続ける闇の一族で、狭也もまた同じ一族であり、狭也こそ、輝の一族が恐れる大蛇の剣(おろちのつるぎ)を鎮めることが出来る“水の乙女”であることを告げる。
 しかし羽柴の村で輝の一族に憧れて育った狭也は、闇の一族と共に行くことを拒み、折りしも通りがかった月代王に采女(うねめ)として輝の宮(かぐのみや)に迎えられることを選ぶ。
 その輝の宮で狭也は、大蛇の剣を守る輝の姉弟の末子、稚羽矢(ちはや)と出会う。夢を見ては自分の身体を抜け出す稚羽矢は、姉照日王から逃げ出さないよう縛められ、その存在さえ外部から隠されていた。しかし稚羽矢こそ、闇の一族に伝えられる“風の若子”であり、“水の乙女”である狭也とは運命で結ばれた少年だった...

 というわけで、はるかな太古の日本を舞台に、最初からすごくわくわく出来るすばらしい冒険が展開します。天上のものである輝の一族は、死ぬことはないが人としての感情を持たず、逆に人間や地上の生き物たちは死んでは再び甦ってくる。その対立する構図の中におかれたロミオとジュリエットならぬ、「水の乙女」狭也と「風の若子」稚羽矢の成長と冒険が理屈ぬきで楽しめます。(いや、理屈をつけても楽しいというべきか)
 古典的な舞台と設定なのに、狭也と稚羽矢、そして輝の一族と闇の一族たちの人物一人一人が生き生きと迫ってきます。中でも照日王の冷酷ながらもどこか憎めないキャラや、短い出番ながら存在感ありまくりの伊吹王(いぶきのおおきみ)などがお気に入り。人物がそれぞれ皆しっかり仕事(?)をしていて気持ちよかったですね。

Posted by roku at 12:13 AM | from category: topics 本/Web読み物・雑誌/素材
Comments
No comments yet
このアイテムは閉鎖されました。このアイテムへのコメントの追加、投票はできません。
Trackbacks
Trackback URL