April 13, 2009

METライブビューイング2008-2009「夢遊病の娘」

 METライブビューイング、今回はベッリーニ「夢遊病の娘」を観て(聴いて)きました。(ベルリーニ作曲「夢遊病の女」という表記もあります)
■METライブビューイング2008-2009:::MOVIXさいたま・柏の葉:::
■METライブビューイング | 松竹
■The Metropolitan Opera
 画像やより生に近い演奏での感想はこちら。
■蘭丸のオペラ日記 in シアトル:夢遊病の女(METライブ・ビューイング) - livedoor Blog(ブログ)
■夢遊病の女 LA SONNAMBULA ドレスリハーサル@MET (2月27日'09) - 徒然なるNY - Yahoo!ブログ
■Sleeping Beauty « RogerEvansOnline.com
■〈第9作〉ベッリーニ『夢遊病の娘』(新演出)
2009年4月11日(土)〜4月17日(金)1日1回10:00〜12:55上映
上映時間:2時間51分/休憩:1回
 お話はすごくたわいのないメロドラマです。若い地主のエルヴィーノとの結婚式を控えたアミーナは美人で気立てもよく村の人気者だが夢遊病で、病気のことは他の村人は誰も知らない。たまたま式の前日村を訪れた伯爵のロドルフォの宿部屋に夢遊病のせいでやって来て眠り込み、翌朝浮気の疑いをかけられてしまう(ロドルフォは眠っているアミーナをベッドに残し、何もせず部屋から出て行ってしまう)。結局アミーナの結婚式はご破算、婚約者のエルヴィーノは怒って元カノに求婚、あげくは婚約指輪をアミーナから取り返す始末。しかしアミーナの誠実を信じる母親と、夢遊病の夢うつつのうちでもエルヴィーノへの愛を訴えるアミーナに心打たれた伯爵のとりなしで最後はハッピーエンドに。

 これだけだとシンプルでかわいいお話ですが、今回のメアリー・ジマーマンの演出では舞台をオリジナルのスイスの山村から現代のニューヨークに移し、「夢遊病の娘」の舞台稽古をしているスタジオでの話にしてしまいました。いわゆる劇中劇!?
 劇中劇と現実を重ね合わせて大成功した作品としては、アントニオ・ガデスの「カルメン」を思い出しますが、この演出では劇中劇と現実の行き来がわかりにくくて、『虚構と現実』のラインがあやふやに思えました。あらかじめ筋を熟知しているわけではないので、通ならわかるかもしれない『虚と実』の微妙な線はまるで見えず、現代ニューヨークでスイスの田舎話をやっているような意味不明な印象でした。舞台美術とか歌劇団員の芝居自体は現代的で決して嫌いではないのですが、今一説得力なかったです。ちなみにこちらのブログの映像では演出のジマーマンがカーテンコールでブーイングを受けていました。(-o-;)
■I Was Saying Boo-llini « Mass Culture Mozart

 でも歌はすごかった。エルヴィーノを歌うフローレスの声はもうビンビンに響き渡っていて、『これぞベルカント』って感じ。「スピーカーの音量下げてくれ!」とツッコミたくなる場面もありましたが。これ、本場のオペラの舞台ではどの位に聞こえているのでしょうかねぇ。それにしても輝かしい声です。歌っている内容が結構男のバカさ、自分勝手さ加減丸出しなのですが、あの声で歌われるとちょっとおとなしく聞いてもいいかと思ってしまいます。(-o-;)
 アミーナを歌うデセイのコロコロ転がりながらも不安定さが一切ない歌もすごいですね。アミーナの純真でかわいい感じがよく出ているお芝居でした。現代ニューヨークで携帯をかけながら稽古場に現れるセレブみたいな登場の仕方が、後半の物語中のキャラと今一整合性がとりにくいような...でもやっぱり歌ですべては救われますね。高音でもピアニッシモでもずっと芯がしっかりした美しい声でした。とにかくすげぇ。(^o^)
 脇役ではロドルフォ役のペルトゥージが、落ち着いていて人情も教養もある伯爵を柔らかいバスで歌っていて素敵でした。不思議とこの人が出て来ると場が落ち着きます。もっとも夢遊病で迷い込んできたアミーナを彼が起こさなかったために後のドタバタが起こるのですが、ちょっとした間違いも含めてなかなかチャーミングなおっさんです。
 
 ところで幕間のインタビューで今回は、タイトルロールの二人以外にプロンプターのC.A.マシスンさんが出て来て裏方の苦労話を紹介していました。テレビのカンペ出し同様、歌詞を歌い手に教える他、指揮者と舞台上の出演者のテンポを合わせたり、「現場の応急対応係」という感じですね。

 ちなみにデセイはこの「夢遊病の女」のCDを出しています。
ベルリーニ:夢遊病の女 全曲
~ デセイ(ナタリー) , メリ(フランチェスコ) , コロンバラ(カルロ) , ミンガルド(サラ) , アッザレッティ(ヤエル) 他, 演奏: リヨン歌劇場管弦楽団, 指揮: ピド(エヴェリーノ)
EMIミュージック・ジャパン
¥ 4,500
2

on 2009-04-13 00:12:45


 その歌だけ聞けるのがこちら。
■YouTube - Natalie Dessay - La Sonnambula - Care compagne -02
 こちらはデセイとフローレスが共演している別バージョンの「夢遊病」。静止画ですが。
■YouTube - Juan Diego Flórez & Natalie Dessay - Prendi L'anel ti Dono
 こちらはフローレスが歌っている「夢遊病」の舞台映像。

 こちらはデセイとフローレスが共演したドニゼッティの「連隊の娘」の舞台。やっぱうまいなぁ。


Posted by roku at 12:08 AM | from category: topics 音楽
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