December 31, 2008

いろんな2008年まとめ

 いよいよ2008年も終わり。今年のまとめ記事もあちこちで目にする時期になりました。
■今年はなんだか地味でした 08年ITmediaNews記事ランキング - ITmedia News
 こちらでも2008年の見たものベストを例年にならって少々まとめてみます。ふりかえってみると、見たり聞いたりしたその時にレビューを書いていなかったものが結構残ってましたね。思い出しながらになりますが、一応書かなかったレビューを兼ねてまとめてみます(-_-;)>

■映画・舞台など
 今年はこれまでほど観に行っていないせいもあるけど、なんだか「すごい!」と思える映画が多くはなかったような気が...いや、単純に物忘れがひどくなっただけかな?(-o-;)
 そんな中で心に残ったものは;
 1位「ダークナイト」:これは文句なく今年の一番。バットマン映画、アメリカンヒーロー物の映画としても最高傑作かもしれない。ジョーカーのいかれっぷりと苦しい戦いを強いられるバットマンたち、そしてその中でどこか狂っていく検事ハーベイ・デント
...物語はジョーカーに象徴される「純粋な悪」、「ただ相手を破壊したいという欲望」が「正義」を語る人の中にも潜んでいるという疑念や、相手をつぶそうとするほど相手に力を与える負の螺旋をスピーディーなドラマの中に描いている。ジョーカーの罠に落ち、「相手側を爆発させなければ自分たちが死ぬ」という窮地に置かれた市民たちの場面も手に汗を握る。「究極の二者択一」を迫るジョーカーに対して市民たちが出した結論に、もしかしたら今のアメリカ人の心の声が反映されているのかなとふと思った。
ダークナイト 特別版 [DVD]
出演: クリスチャン・ベール, マイケル・ケイン 監督: クリストファー・ノーラン
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥ 3,980 (税込)
2

on 2008-12-31 03:45:25


 2位「崖の上のポニョ」:宮崎駿監督が本領発揮しまくりのアニメ。荒波や嵐、海の生き物たち、水没する町とそこを旅する少年と少女など、宮崎監督らしいモチーフがあふれています。ストーリーは単純ですが、大人視点で見てしまうと「?」だらけになってしまうかも。でも今回はとりあえず素直に楽しむことにしました(^-^;)
 3位「落下の王国」:ここから先はあまり順位は関係ないかも。「ザ・セル」のターセム監督がCGを一切使わず(「ザ・セル」はCG使いまくってました)、世界遺産を背景に作り上げた寓話的な物語。撮影中に落ちて大怪我をし入院中のスタントマンの青年ロイが、自殺願望から病院で出会った女の子アレクサンドリアに薬を盗んでこさせようとお話を聞かせる。それはとある国を支配する総督に対する6人の男達の復讐の物語。それぞれ得意技を持つ6人はしかし総督の圧倒的な軍勢の前に捕らえられ苦境に立たされる。それを救ったのは...なんと物語に入り込んだアレクサンドリアだった。窮地を脱したものの、やがて次々と倒れていく男達。仲間達の死を悲しみ泣きながら抗議するアレクサンドリアにロイは「僕のお話はハッピーエンドなんかじゃない」と答える...アレクサンドリアがとにかくすばらしい。「演じる」部分と「生」の部分が分かれていない、この年頃だからこそ可能だった「芝居」だそうだが、実際見ていてとても自然でかわいらしい。一方、ロイの物語を彩る世界遺産の背景は、本当に美しい。物語の背景としてここまで多くの世界遺産が使われたことはそうないだろうと思う。ロイ自身の身勝手さとそれを反映した「お話」の支離滅裂な展開が気になったが、でも全体としては面白かった。
ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]
出演: リー・ペイス, カティンカ・アンタルー 監督: ターセム
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥ 3,980 (税込)
2

on 2008-12-31 03:47:47


■映画「落下の王国 - The Fall -」オフィシャルサイト
 4位「パコと魔法の絵本」:舞台劇の映画化だそうだが、CGを駆使した劇中劇がすごくよく出来ていて意外な傑作。病院の患者達が抱える苦悩やこだわりがそれぞれに笑えて(泣けて?)何度もおいしい。特に子役として成功した後、それを抜け出せずにいる俳優(妻夫木聡)とその子役に対する永遠の憧れを隠し持っているヤンキーな看護師(土屋アンナ)のくだりはツボった。小池栄子のSな看護師とかも悪乗りしまくってる感がぐぅ。しかしアヤカ・ウィルソンのパコ、かわいかったです(^-^)v
パコと魔法の絵本 特別版(2枚組) [DVD]
出演: 役所広司, アヤカ・ウィルソン 監督: 中島哲也
アミューズソフトエンタテインメント
¥ 6,090 (税込)
2

on 2008-12-31 03:46:48


 5位「デトロイト・メタル・シティ」:笑えました。設定がすでにハマってますが、松雪泰子演じる飛ばし気味のデスレコーズ社長が最高でした。(^-^;)
 番外「ファウストの劫罰」:映画ではなく、メトロポリタン歌劇場のHDライブビデオの映画館での上映ですが、これははずせません。ロベール・ルパージュの舞台美術と演出がすごかったです。

 他に「見たよ」という映画は「ライラの冒険 黄金の羅針盤」、「ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛」、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」、「おくりびと」、「スカイ・クロラ」など。
 「ライラ」はレビュー参照ください。
 「ナルニア」シリーズ第二作は大人になっていく長男と長女にとっては最後の旅。ナルニアに敵対する人間たち、力のために仲間を裏切り禁忌を破ろうとするナルニアの住人など、最初の時とくらべて格段に困難になった状況で浅い考えや狭量からの失敗を重ねる兄弟たち。彼らとぶつかり合いながらもやがて真に協力しあっていくカスピアン王子が新しい世界をもたらす。これはよい作品だったと思う。
 「インディ・ジョーンズ」はいつもながらのアクションが楽しかったが、いかにもヤンキーな息子に苦笑(^-^;)。ケイト・ブランシェットはさすが女王様の迫力。
 「おくりびと」は、納棺師という仕事が目新しかったせいもあるが、そのプロフェッショナルな作業に感動。ひとくせもふたくせもある山崎努の社長がいい。しかし主人公の父親って一体なんだったんだろう(-_-;)
 「スカイ・クロラ」:押井節全開の未来SF。淡々と「業務」をこなし、あくまで「戦争」というビジネスの駒として使い捨てられていくキルドレたちが主人公。表面はあくまで無表情な彼らの心の内には、課せられた「戦闘」業務の中で何かが沈殿し、重なっていく。エヴァから続く“綾波”的な虚無を生きつつ、少しずつ抵抗し、何かを獲得していく姿がちょっと新しいかも(?)。
 自分が2008年に観た映画で例年と少し違っていたのが、ドキュメンタリーをいくつか観ていることでしょうか。「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」、「ベルリン・フィル 最高のハーモニーを求めて」、「帝国オーケストラ」、「いのちの食べかた
 「ブロードウェイ〜」はミュージカル「コーラスライン」の2006年リヴァイヴァル公演のためのオーディション風景を記録したものですが、そこではそのまま「コーラスライン」を髣髴とさせるドラマが展開していて迫力がありました。特にポール役のジェイソン・タムの演技には審査員も涙しいて、観ているこちらも目頭が熱くなってしまいました。日本人の高良結香がオーディションに参加していて、仲のよいルームメイトと同じコニー役を争うシーンもあり、惹きこまれます。
 「いのちの食べかた」は、野菜や牛豚鶏肉などの食材がどのように生産され、食卓に届けられるのかを、現場にカメラを持ち込んでBGMもなしでひたすら記録した映画。工場で非常に効率的に処理される牛や豚の姿は、最初はちょっとショッキングだが慣れるとまったくの「ルーティン」としてしか感じられなくなる。この映画は別に菜食主義を薦めるとか、動物保護を訴えるとかいうものではなく、我々の「いのち」がいかに多くの「いのち」によって支えられているかを教えてくれる。(日本での封切は2007年11月だが2008年7月までロングラン)

 上映期間を過ぎて見損なってしまった映画:「ブラインドネス」「ぐるりのこと。」「潜水服は蝶の夢を見る」など。今年はうまくタイミングが合わなかった時が結構ありました(-o-;)>

■小説・マンガ・書籍など
 1位「テンペスト」:文句なく今年の一番!展開のスピード、登場人物たちのキャラ立ち、ドラマの面白さ、どれをとってもこれまで読んだ小説の中でピカ一でしょうね。最近、レキオスがマンガ化されたりシャングリラがアニメ化されるらしいなど、メディアに取り上げられることが増えた池上作品ですが、この「テンペスト」もいずれ実写ドラマか映画化、あるいはアニメ化されるかもしれませんね。内容的に微妙に難しそうな部分もありますが、長い目でみてよい作品にして欲しい原作です。
 2位「もやしもん」:原作のマンガ1〜6巻をまとめて読みましたが、農学系の学生生活の描写や、作者の発酵食品(とそれを愛する人たち)への愛に感動しました。単行本第7巻が12月22日に出て、現在も連載中。今は地ビールがテーマになる展開。楽しみにしてます(^-^)v
もやしもん 7―TALES OF AGRICULTURE (7) (イブニングKC) (コミック)
石川 雅之 (著)
講談社
¥ 560 (税込)
0

on 2008-12-31 03:41:54


 3位「プルートー」:世界中の優秀なロボット7つを次々と破る「地上最強のロボット」プルートーの話は、浦沢先生の手にかかるとすばらしいサスペンス・ミステリーになるんですね。前半を引っ張るドイツのロボット刑事“ゲジヒト”の心理的なドラマは、ちょっとハンニバルをパクったところがありますがすごく引き込まれました。原作にはない家族設定で出て来るゲジヒトの奥さん(ロボット)と天馬博士のやり取りはちょっと胸にきました。非常に“人間的な”アトムやウランもなかなかいいです。現在も連載中で、大詰めが近いようです(^-^)
PLUTO (2) ビッグコミックス
浦沢 直樹 (著), 手塚 治虫 (原作), 手塚 真(監修)
小学館
¥550 (税込)
202

on 2005-07-05 02:46:11


 4位「天使」「雲雀」「鏡の影」「ミノタウロス」:佐藤亜紀作品は2008年になって知ったのですが、非常に惹かれますね。西欧文学小説を思わせる重厚な文体とヒネリのきいたストーリーは大好きです。個々の小説についても書いておきたいところですが、とりあえずまとめて4位にしてしまいます。
 5位「20世紀少年」:ようやく全巻読みました。確かに長い!(^-^;) しかも伏線の回収という点でも最後までよくわからない点が残っていました。しかし一気に通して読んでみると、個人的には割りとすいすいと読めてしまいましたし、最終的に回収しきれない部分はそれほど気になりませんでした。「わからんところはスルー」できる能天気さのせいでしょうか(^^;) 窮地を打破するために要所要所で登場人物が“見得”を切るところがかっこいいっすね(特にカンナのカード対決のくだり)。クラスメートが世界を舞台に繰り広げた「しゃれにならない」ゲームが些細な(?当人にとっては重大な)事件から始まったというのは、読者からすると「そんなんで?!」という気持ちです。でもサイコで偏執狂的な毒は今という時代の現実だという感覚もあり、そこに説得力があるのかなとも思います。前半の不可解で引き込まれる展開に相応なエンディングにはなっていないところもありますが、これだけの力技にはやはり拍手したいです(^o^)
21世紀少年 下 (2) (ビッグコミックス) (コミック)
浦沢 直樹 (著)
小学館
¥ 550 (税込)
194

on 2008-12-31 04:28:59


 4位以下はあまり順位は関係ないということで(^-^;)
 他にも「レキオス」、「夏化粧」、「ぼくのキャノン」といった池上永一作品が印象的でした。「レキオス」の破天荒、「夏化粧」の“おもろうてやがてかなしき”母の愛、「ぼくのキャノン」のまぶしい青春と背負われた歴史のバトンタッチは、思い出すだけで胸が熱くなります。池上さん、私はもうずっとついてゆきます!(^o^)/

■展覧会
 1位「井上雄彦 最後のマンガ展」:バガボンドの最終章−宮元武蔵の最後を描くマンガ展。作者の筆の力が爆発しているような作品に最初から最後まで圧倒されました。ペンと筆の自在な線がここまで力強く、美しいなんて...すご過ぎます。上野の森美術館での会期中、あまりに待ち行列が長いので一時は行かないでおこうかと思ったくらいでしたが、これは見に行って本当によかったと思います。 

Posted by roku at 03:39 AM | from category: 日記
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